子供の自立をバックアップしよう
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-分離不安-

分離不安という言葉をご存知でしょうか。
これはジョン・ボウルビィという人が提唱した考え方です。これは簡単にいうと、
乳児が離乳の時に感じる感情です。それまで母乳を飲むことによる母子の密
着した心地よい関係が変わることにより、赤ちゃんは母親との距離が変わるこ
とを本能的に不安に思うわけです。
ですから、離乳はできるだけゆっくりと行なう方が良いというのが、子育ての
基本というわけです。

そして、この離乳の時期に何らかの理由で分離不安を残したままの子供とい
うのは、その後、様々な場面でこの分離不安と戦わなければならなくなるよう
です。
逆に、この時期の分離不安を上手く克服できた子供の場合、そうした不安が
ないために、確固とした自分というものを核に自己実現を果たし、自分の人生
を歩んでいきます。いろいろな人間関係の中でも自分を見失わず、生きる悦
びを柱として人を愛し、配偶者を愛し、子供を愛することができます。

分離不安とは、言葉を変えれば「離れたくない心理」であり、「孤独を極度に
恐れる心理」といえます。
分離不安そのものは誰にでも存在する心理です。
エーリッヒ・フロムという人も、「愛するということ」という著作の中で、
「もし分離されたくないという欲求がいかに深いかを知るならば、(人々が)
他者と異なることを恐れる力、民衆からたった数歩遅れていることを恐れる
力を理解するこができるであろう。」
と書いています。

-孤立を恐れる力-

では、そうした不安が心の中で大きく作用してしまう場合について、考えてみ
ましょう。
まず、自己主張の力が弱まることが、考えられます。
自分の気持ちをきちんと相手に伝える。みんなと違う意見を言う。嫌なことは
嫌と言い、してもらいたいことを素直に伝える。
何故こうしたことが、過度の分離不安を抱えていると困難になるのか。
それは、自分をこうした場面で打ち出すということは、相手に拒絶される(NO
と言われる、反対意見に遭う、相手が心理的に距離を置く)リスクが伴うから
です。最悪の場合、孤立を招く可能性も否めない。そうしたリスクを犯しても、
ここは自己主張の価値大いにありと判断したら、それができる。それは潜在
的に分離不安が少ないからです。

例えば、いじめられやすい子というのは、嫌ということが言えません。いじめら
れても黙っているとか、場合によってはニコニコしていたり、わざわざいじめっ
子にくっついていたりします。私はこれは、分離不安、つまり「孤立を恐れてい
る」ためではないかと思っています。つまり、孤立するよりはいじめられても一
緒にいるほうがいいという行動ではないかと。
人に嫌われるということを過度に気にしている場合や、寂しくて恋愛に走ってし
まう場合も、この孤立を恐れる力が心の中で作用していると考えられます。
会いたいから(会うのが楽しいから)人に会うのではなく、寂しいから人に会わ
ずにはいられないという人は、一人の時間を楽しめません。

逆に、一人でいる時間を楽しめる人というのは、孤立を過度に恐れません。
一人でいるのも楽しめるが、人と(恋人と)会うのはもっと楽しいから会う。
そういう人というのは、友達の数という点で、それほど多くありません。
また、多いとしても、会う頻度(回数)は、少ないものです。ただし、少ないで
すが、心の友(真の友)が必ず居ます。滅多に会わなくても、会えば心を開き、
お互いに畏敬の念と励まし合いの関係を以って、楽しいひと時を十二分に堪
能できるのです。

恋愛においても、一緒に居ればいるほど、付き合えば付き合うほど心が満た
され、お互いの自己実現を応援し合う仲になれます。しかし、分離不安を残し
たままの人は、何故か分離不安を残した人と結ばれることが多いのです。
そして、例えば配偶者が社会で自己実現しようとすると、「自分と仕事とどっ
ちが大切なのか」「家庭をどう思ってるんだ」「嫁として(母親として)それで務
まるのか」などと言って、嫉妬して邪魔をしようとします。

-心の絆を取り戻す-

では、この孤立を恐れる心理をなるべく残さないために、どんな風なことに気
を付けて我々は子育てをすればよいでしょう。
ひと言でいうと、親子の心の絆をしっかりと育てることだと思います。
これは離乳時期のことだけではありません。
乳幼児期を中心として、充分なスキンシップをとることや、甘えを充分に受け入
れてあげること、子供の自己主張をしっかり聞いてあげたり、自立の芽生えを
励まし、応援してあげること。わがままや愚痴やいろいろな子供の感情を受容
することです。

特に何らかの理由で子供が不満や不安を覚え、それを表明した時は、その気
持ちを暖かく迎え入れ、心の底から抱きしめてあげることです。
「大丈夫だよ」「不安だったんだね」「いいんだよ」
そんなふうにして、子供の心の中に「安心感」を育ててあげましょう。
もちろん、それには親自身が分離不安を卒業していなくてはなりません。

親自身が社会の中で自己実現し、自分をしっかりともちながら人とのふれあい
の中に安らぎを感じる。他人の意見や世論に揺れることなく、自分の価値観や
感性から物事を見たり判断できる。自分の考え、意見を自分自身が尊重でき
る。そういう人生に悦びを感じているからこそ、その悦びを子供と分かち合いた
いと思うし、子供の自立を無条件でバックアップすることができると思うのです。
そう考えると、今の世は、寂しさゆえに自分を見失い、その寂しさを埋めること
に躍起になっている人たちの何と多いことかと、胸の痛む思いです。



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【執筆者プロフィール】
鈴木雅幸:ハッピーライフ実践会 代表/ 心理カウンセラー
 
若い頃から様々な自己啓発書、心理学、カウンセリング書、ビジネス書、メンタルな書物を
読み続け、2001年11月、しあわせ研究室「こころの森」を立ち上げ、数多くのレポートを
アップし、同時にメール相談も開始し、サイト訪問者から高い評価を得る。
その後、さらに本格的にカウンセリング活動を続け、2004年7月には、ハッピーライフ実践会
を立ち上げ、代表となる。
実践会の会員は、2005年3月現在、680名を超え、他に例のないインターネット通信講座
やe-bookセミナーを企画・販売している。
現在もカウンセリング通信教育を中心に、精力的な活動を行っている。
1967年生まれ、二児の父親でもある。

http://www.counselinglife.com

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