【ハリーポッターと秘密の部屋に学ぶ】

                             Word版レポート(転送可)

-ハリーの成長に不可欠だったもの--

ハリーポッターと秘密の部屋が上映されて随分経ちましたが、
私はつい一月ほど前にビデオで始めて観ることになりました。

そう・・・・またもや多くの勇気と感動をもらうことになってしまいましたよ。(^_^)
ご覧になった皆さんもいかがでしたか?
賢者の石でもそうでしたが、ハリーの成長は、
少年が大人になるためのステップそのものを描いていると思うのです。
では、少年が大人になるためには、どのようなステップを踏んでいくのか。

先ず、心の友、親友の存在が必要です。
ハリーには、ロナルドウィズリーという少年と、ハーマイオニーという少女が
親友としていつもそばにいます。
彼らはお互いに励まし合い、友情をもらったり、勇気をもらったりしています。
ハリーの冒険も、彼らの存在なくしては成し遂げられなかったでしょう。
心の友の存在は、少年の心の成長にとって極めて重要です。
人間一人では何事にも限界があります。
しかし、心のどこかでつながっている真の友の存在は、
私たちにとって限りない勇気を与えてくれる存在なのです。

次に、
少年が大人になるためには、賢者の存在が必要です。
賢者の存在、つまり知恵を授ける大人の存在です。
ホグワーズ魔法学校にも、何人かの先生がいますが、
中でも知恵者ナンバーワンは、校長のダンブルドアです。
ダンブルドアは常に物事の先を読み、冷静に事の成り行きを見守り、
最後にはいつも、ハリーに物の見方、考え方、つまり知恵を授けてくれる存在です。
現代社会は、この知恵者・賢者の存在が完全にお留守になっています。
私たち大人は、このことをいつも心に留めておいたほうが良いと思います。

-ハリーが戦った自分自身の闇-

そして、最後に必要なのが、自分自身の心の闇と闘うという経験です。
香川大学の岩月教授は、これを「英雄体験」と呼んでいます。
人間は、誰しも自分の心の中に、光と闇を持っています。
そして、本来、心の闇の部分というのは、自分で意図して持ったものではありません。
闇とは、この場合、心の飢餓感とか、人への憎しみとか、怒り、嫉妬、寂しさ・・・・・
そうした闇を誰もが抱えて生きています。
親に愛されなかったとか、自分の人生経験から生まれてしまったものなどです。

ハリーも、実はこのような闇を抱える運命になってしまいます。
ハリーの場合の闇とは、ボルデモートです。
ハリーは、深い愛情を持った両親から、「愛」という光の遺産を心の中に宿しています。
しかし、
ボルデモートと幼き頃に対峙した時、ボルデモートは、最後の力を振り絞り、
己の一部をハリーに何らかの形で受け継がせました。
ハリーのどこかに、ボルデモートの血が流れているといっても良いかと思います。
ハリーはそれを知り、自分がわからなくなります。
蛇の言葉を話せる自分に対し、様々な葛藤を覚えます。

人は時として、自分の運命を呪いたくなる時もあります。
何故、自分はこんなことのなってしまったのかと、自分を責めたくなります。
しかし、ハリーは、自分の心の闇と闘うことを選択しました。
自分の運命を切り拓く道を選びました。

-心の選択こそが、未来を創る-

壮絶な闘いを終え、
ハリーはダンブルドアに、自分の心の内を、打ち明けました。
自分が一体何者なのか、自分のことがよくわからないと。
そうです、闘い終えても、ハリーの葛藤は続いていたのです。
その時、ダンブルドアは、初めてハリーにその答えを示しました。

ダンブルドアは、ボルデモートとハリーの違いを話しました。
ボルデモートは、自らの運命を変えようとはせず、心の闇に呑まれ、
闇の支配に屈し、悪の道を進みました。
しかし、ハリーは違いました。
ハリーは、自分の心の闇と、真正面から闘いました。
自分の中にある闇の存在を認め、そして、その闇に向かって臆することなく
闘いました。
そして、そんなハリーにダンブルドアは、こう言います。
「人間の価値は、自分が何者なのかで決まるのではなく、
 どんな選択をしたのかで決まるのだ」

ハリーは、心の闇に屈せず、自分の光を信じて自分の未来を切り拓きました。
心の中で、ボルデモートの残した闇と、両親からもらった光が、真っ向から対峙し、
その中でハリーは光の中で生きることを選んだのです。
そうです、選択をしたのは、他でもないハリー自身でした。

現代社会でも、これは全く同じことです。
自分の心の闇に負けるということを選択した人間は、
人を憎み、人に嫉妬し、人の幸せをつぶしにかかり、人を拒絶し、人を傷つけます。
犯罪者やテロリストたちは、皆、自分のそうした心の闇に負けた人間たちです。
そして、その原因を他人や社会のせいにすり替えて、犯罪行為やテロ行為に走ったのです。
歴史上の独裁者たちも、己の闇に負けた人間たちです。

生きるということは、自分の運命を呪うことではありません。
自分の未来を切り拓くことです。
たとえ、親に愛をもらえなかったり、人に裏切られたりしたとしても、
その時、何を選択するのかによって、その人の未来は変わるのです。
決して、愛されなかったとか、裏切られたという歴史が、
その人の運命や未来を決めるのではありません。
その時、何を選択したのか。
それが、「生きていく」ということなのです。
そうです。
生きるということは、他でもない、あなた自身の選択なのです。

ハリーポッターと秘密の部屋

ハリーの心の決断は、
私たちに「未来を選択するのは、他でもない君たちだ」と教えているのだと、
私は思うのです。



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